全てをワンクリックで
--パワーポイントのノート読み上げマクロ--
ワンクリックで以下の五つの処理全てができます。
ワンクリック処理1
・選択した図形・テキストのグループ化とアニメーション設定
・ノート欄のテキスト読み上げとwavファイル作成
・wavファイルのスライドへの埋め込み
・wavファイルのアニメーション設定
・スライドショーの実行
パワーポイントによるオンデマンド講義用ビデオ、学会発表用ビデオなどの作成の能率化を目指して、ノート読み上げマクロの改善を行いましたので、そのマクロの概要を述べ、取り扱い方法について説明します。以下のマクロを核にして機能拡張しました。
薫染庵途上日誌 「ノート読み上げを含むPowerPoint」
無料のMicrosoftの音声合成音源(例えば 英語であれば Microsoft David、日本語であれば Microsoft Haruka など)を利用して、本マクロにより快適な作業環境が得られます。特に、英語音源(Microsoft Davidなど)は、十分に実用的なレベルにあり、本マクロで作成したスライドそのままをプレゼンテーションやビデオ作成に使えます。
残念ながら、Microsoftの日本語音源(Microsoft Harukaなど)の性能は十分ではありません。漢字の読み上げに間違いが多く、また、イントーネーションがずれていたりします。そこで、日本語の場合は、市販のテキスト読み上げソフト(本稿ではVOICEPEAK)を利用することを前提に、ワンクリックで以下のことができるようにしました。
ワンクリック処理2
・全スライドのノート欄のテキストをテキストファイルに保存
さらに、テキスト読み上げソフト(VOICEPEAK)によりwavファイル作成・保存後には、ワンクリックで以下の三つの処理全てができるようにしました。
ワンクリック処理3
・wavファイルの全スライドへの埋め込み
・全スライドにおいてwavファイルのアニメーション設定
・開いているスライドのスライドショー実行
日本語のコンテンツ作りの際には、まず、Microsoft Haruka などを用いて、ワンクリック処理1により個々のスライド作りを行います。一通り作り上げてから、市販のノート読み上げソフトとワンクリック処理2, 3により全スライド一括でwavファイルを作り直せば、能率の良いコンテンツ作りができます。テキスト読み上げソフトは、スライド単位のwavファイルを出力できるものであれば、VOICPEAK以外でも使用可能です。ただし、wavファイルの命名規則が異なる場合にはマクロの当該箇所(一括WavToSlide,個別WavToSlideモジュール)の改訂が必要です。
本マクロには、Microsoft VBAのPower Point用メソッドに由来する制約と筆者の力不足のため、ワンクリックでは設定できないアニメーション(強調、終了など)が残っています。ですが、筆者は、この改善マクロを利用することで、ノート読み上げ、wavファイル埋め込み、アニメーション設定にほとんど煩わされることなく、コンテンツ造りに専念できています。
「必要は改善の母」です。「これなんとかならないかな、あれができるといいな」という思いを原動力に、マクロ改善に取り組んできました。薫染庵さんのオリジナルに対して、こねくりまわして、こてこてにしてしまいましたが、少なくとも筆者にとって快適な作業環境を作ることができました。
本稿は筆者の改善マクロの概要と使い方を解説します。ダウンロード・解凍したフォルダを、読者にとって都合の良いフォルダに置いてください。当該パワーポイントファイルを立ち上げて、マクロ内のパスを書き換えればすぐに使えます。Dドライブ直下におけば、パスの書き換えも必要ありません。クイックアクセスツールバーにマクロを登録すれば、マクロの起動がとても容易になります。
もともと、ネット情報のおかげで実現できた作業環境ですので、多くの方に利用していただけたらと思い公開します。
マクロを含むパワーポイント圧縮ファイル
製作例のパワーポイントファイル
マクロ付きのパワーポイントファイルの実行を用心される方は、以下のテキストファイルをダウンロードしてお使いください。
マクロのテキスト圧縮ファイル
解説ビデオ
作成教材例
できることの概要
VOICEPEAKの利用
スライドの複製
大きな問題
小さな問題
ご意見、ご感想を歓迎します。また、質問などご遠慮なく下記宛てお送りください。
令和4年8月
古橋武
工学博士,名古屋大学名誉教授
furuhashi.takeshi*
*に@gmail.comを付けてください.
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