14.5節 自販機の順序回路の動作

本節では、100円ジュース自動販売機の動作モデルを、JKフリップフロップを用いた順序回路として設計・製作した結果について解説します。
実際の製作例(実装写真)を図14.9に示します。

図14.9 製作例
図14.9 製作例

動作概要

本回路の入力および動作仕様は以下の通りです。

  • \(SW_0\):50円投入スイッチ。押すと50円が入金される。
  • \(SW_1\):100円投入スイッチ。押すと100円が入金される。
  • 動作トリガ:合計金額が100円に達した時点で、ジュース提供信号が出力される。
  • 状態遷移タイミング:クロック(CK)消灯時に、50円預かり状態への遷移やリセット動作が行われる。

Case 1: 50円を2回投入する場合

図14.10に、50円硬貨が2回連続で入金された場合のタイムチャート(動作図)を示します。

図14.10 50円が2回入金される場合の自販機の動作
図14.10 50円が2回入金される場合の動作

Case 2: 100円を投入する場合

図14.11に、100円硬貨が1回入金された場合の動作を示します。

図14.11 100円が入金される場合の自販機の動作
図14.11 100円が入金される場合の動作

Case 3: 50円の後に100円を投入する場合

図14.12に、50円投入後に100円を追加投入した場合の動作を示します。
なお、本回路はお釣りが出ない仕様(簡易的な欠陥モデル)となっている点に留意してください。

図14.12 50円の後に100円が入金される場合の自販機の動作
図14.12 50円の後に100円が入金される場合の動作

動作確認

製作した自販機回路の動作検証映像を以下に示します。スイッチ操作に伴う状態遷移と出力の変化を確認してください。

動画 14.5節の回路動作