ディジタルフィルタ

● ChatGPTによるdsPIC マイコン用ディジタルフィルタプログラムの生成(pdfファイル)

dsPIC33EV256GM102用ディジタルフィルタプログラム(圧縮ファイル)


 ChatGPTを用いてディジタル・フィルタのプログラムを生成する記事(Interface, 2023年11月号)が辰岡氏によって著されました。その能力と可能性には非常に驚かされました。この記事を参考に、ChatGPT 4を使ってdsPICマイコン用のディジタル・フィルタ・プログラムの生成を試みました。本稿ではその過程と結果を記します。使用したマイコンはdsPIC33EV256GM102です。
 最近、同じマイコンを用いたディジタル・フィルタの記事を執筆し終えました。その記事では、MCC (MPLAB Code Configurator)を使ってマイコン内の周辺モジュール設定を行いました。MCCはMicrochip社が無償提供しているグラフィカルなプログラム開発環境で、PICマイコン内の周辺モジュール設定関数(Cのコード)をほぼボタンクリックのみで生成できる画期的なユーザインタフェースです。PICマイコンの周辺モジュール設定は機種ごとに異なり、繁雑な作業でしたが、MCCにより大幅な効率向上が実現されています。
 ChatGPTをMCCによる周辺モジュール設定後のひな形プログラムに適用すれば、さらに効率を向上できると期待しました。dsPICマイコンを用いたディジタル・フィルタを製作して実験を行いながら、ChatGPTによるプログラム生成を試みました。ChatGPTはC言語のフィルタ演算プログラムを生成するだけでなく、dsPIC専用の高速ベクトル演算プログラムの生成要求にも応えてくれました。
 ただし、現時点ではChatGPTの回答には細かな誤りが含まれていました。これらの誤りのためにマイコンは正常に動作しませんでしたが、ChatGPTに問い合わせることで解決することもありました。堂々巡りから抜け出せないこともありました。現時点では、私たちがdsPICマイコンのことを全く知らなくてもプログラムが組めるという状況には至っていません。
 生成AIの進歩は速く、このような不備もやがて解消され、周辺モジュール設定からフィルタ演算プログラミングの全てを自動で実施してくれる時が目前にあると期待されます。
 令和6年6月